スピリチュアリズム〔Spiritualism〕とは、『人は肉体とたましいからなり、たとえ肉体が滅びてもたましいは生き続ける』といった思想、また、たましいの存在となった霊との交信など、幅広い意味として知られています。
この”スピリチュアリズム”という思想は、人生の哲学として日々実践することで、生き抜くことの大切さに気づくことができるのです。
このスピリチュアリズムは、「人の死後にもたましいが生き続けていることを知らせる事件」がきっかけで幅広く世の中に知れ渡ようになりました。
1848年のアメリカが発端
1848年のアメリカ、ニューヨークにあるハイズビュー村で起きた、心霊事件(ハイズビュー事件)は世界中の人々に霊の存在を知らせる事件となります。
心霊事件の起きた家に住む、フォックス姉妹が心霊現象の一種であるラップ(叩音)現象から、とある殺人事件を解明していくことになります。
またこの事件をきっかけに、本格的な心霊研究が始まりました。
心霊研究と科学
この心霊研究とは、霊の存在を肯定するものではなく、「霊なんてものは、存在しない」という否定的なスタンスから始まっています。
そして霊の存在を否定する心霊研究のために、世界中の科学者たちが集められたのです。
この心霊研究に関わったとされる人物のひとり、物理学者である、ウィリアム・クルックスはハイズビュー事件に関して「イカサマやトリックではない」と、いうこと明らかにしています。
またウィリアムらと同じく、アレルギー研究の父・生理学者でもあるシャルル・ローベル・リシェなどもこの研究に加わっています。
シャルルは、ラップ(叩音)現象がどのように発生し、またどのような成分から音を発しているのかを研究し続けました。
そして、ついに「霊が引き起こすさまざまな現象はエクトプラズムである」と、いうことを発見し、世界に知られることとなったのです。
このように心霊研究は、世界中の科学者たちによって、霊の存在を認めざるを得ない事態となりました。
霊の存在が明らかに
心霊研究の結果、霊の存在を否定するどころか世界中の科学者たちをより集め大々的に行った心霊研究となり、霊の存在が明らかになっていきました。
つまり、霊の存在が明らかになるということは、私たち人間の肉体は滅びても、たましいは生き続けるということを証明しているのです。
ハイズビュー事件では、霊の存在をわかる人もわからない人も、霊という存在を感じることのできる事件となりました。
また、ハイズビュー事件は3月31日に起きたことから、この日を『スピリチュアリズム記念日』と制定し、今でも多くのスピリチュアリストたちがしのんでいます。
まとめ
否定的な目的で始まった心霊研究は、結果的に近代スピリチュアリズムの幕開けとなり、多くの人々が死後の世界を垣間見ることができました。
このようなことからも、今日の私たちの存在や生きる意味などが、少しずつ解明されてきているように思います。
スピリチュアリズムは「人はたましいの存在であり、また、たましいは永遠である」ということを学ぶことができます。
さらにそれらを受け入れ、理解していくことで、より死への恐怖が和らいでいくことでしょう。
このようにスピリチュアリズムは、私たちの考え方や生き方にも影響を及ぼし、実践していくことで失うことへの恐れから解放されてゆくのです。