ハイズビュー事件とは
1848年3月31日、それはアメリカ合衆国のニューヨーク州にある小さな村、ハイズビュー(ハイズビル)〔Hydesville〕で起こりました。
村のはずれにある小さな家に住む、アメリカ人であるフォックス一家は、ポルターガイスト現象に見舞われることとなります。
ここに住む3人姉妹のうち、次女のマーガレット(当時11歳)と三女のキャサリーン(通称:ケイト、ケティー)(当時9歳)はラップ(叩音)現象を利用し、死者である霊と会話できる霊媒であることを告白し、有名になりました。
霊の存在を解明するために、ノーベル賞を受賞した研究者などさまざまな研究者が関わり、さまざまな角度から霊という存在を暴く研究が始まるのです。
この研究者らの間で、この事件のことをフォックス家の住む村の名をとり「ハイズビュー事件」と呼ばれるようになりました。
GoogleMapで検索してみると、ハイズビューのあった現場は、2022年5月24日時点では「The Fox Sister's House」もしくは「ハイズビル記念公園」になっています。
当時の家はなく、施設があるだけのようですね。
ハイズビュー事件の発端
ハイズビュー事件の発端は、1848年3月31日にアメリカ人であるフォックス一家は引っ越した先の新しい住宅で、夜な夜な物音に悩まされ、その物音と交信を行ったことが発端となっています。
物音の正体が霊の仕業とわかり、フォックス家の娘たちはその霊に話しかけてみたのです。
(※霊との交信を初めて行ったフォックス家の人物に関しましては諸説ありますが、概ね、マーガレットとケイトが霊との交信に成功したとされています。)
霊との交信方法は、Aから順に口頭でアルファベットを口早に伝え、霊が伝えたいアルファベットの所に来たら、音を鳴らす方法が用いられました。
霊が伝えたかったその内容とは、「かつて、この家に宿泊していた行商人の男で、名前は『チャールズ・ロスナー』と言い、5年前にこの家の主人だった人物に殺され、地下に埋められた」といった内容でした。
この話が出た当初、地下を掘る作業が行われましたが、骨や髪の毛らしき物が発掘されたのですが、わずかばかりではっきりとした証拠を得ることができませんでした。
後にフォックス一家がこの土地を離れてから60年近く経った頃、かつてフォックス家が住んでいた家に少年たちが面白がって入り込み、地下室で遊んでいたところ壁が崩れ、そこから人骨と行商人の鞄などが見つかったのです。
地下の壁は二重構造となっており、チャールズ・ロスナーは、その壁の間に埋められていたのでした。
この事件が発端で、心霊研究が始まり、近代スピリチュアリズムの時代を迎えるのです。
ハイズビュー事件の後、家は取り壊され、家の前にあった木だけが残っている写真がありましたので、ご参考までに。
ハイズビュー事件は近代スピリチュアリズムの礎
ハイズビュー事件は、近代スピリチュアリズムの礎となりました。
フォックス一家の住んでいた家では、かつての住人が殺人を犯し、その遺体を地下の壁に埋めていたことが明るみになるまでにかなりの歳月を重ねています。
マーガレットとケイトの2人が他界した後、この家から遺体が発見されました。
霊媒であるマーガレットとケイトの登場により、世界中で霊媒である人々が声を上げ出し、世間を賑わせ、たくさんの人が関心を向けた事件となりました。
さらに、ノーベル賞受賞者など当時世界的に注目された研究者たちをより集め、本格的な心霊研究が行われましたが、研究者たちが霊の存在を明らかにする一方で、フォックス姉妹たちは自分たちの生活を守るために霊の存在を否定する発言などを行ったのです。
その翌年にはアッサリと霊を否定した発言を撤回するなど、この事件に翻弄される人も少なくありませんでした。
今なお、この物語は受け継がれ、さまざまな角度から見た話も語り継がれています。
ここで言えることは、何を信じるのか?何が本当か?といったことに心を向ける必要はありません。
このような出来事があったからこそ、目に見えないことにも関心を向ける必要があるのです。
真実を知りたくても、誰もその答えを教えてはくれません。
だからこそ、感じる心や感性によって真実を見つめなければならないということを、この事件を通してスピリチュアリズムは教えてくれているのではないでしょうか?
目に見えることばかりに囚われるのではなく、あなたの心眼と常に向き合い、心が成長していくことで本当の幸せを見つけることができるのです。